Saturn

土星の環形成

必要な知識レベル:大学1年程度(力学)

環形成の原因

多数の微小な粒子が質点Mの周りを運動している。Mと微小粒子の間には万有引力が働き,微小粒子間の衝突は非弾性衝突が起こるとする。

i番目の微小粒子は角運動量Liを持ち,力学的エネルギーとして位置エネルギーUiと運動エネルギーKiの和,Ui+Kiを持つ。

系全体を見るとLiの総和Lは時間発展がなく保存されるが,Ui+Kiの総和Eは非弾性衝突によって徐々に失われる。

結果として,最終的にはなるべく小さなEで角運動量Lを実現するような運動に落ち着く。これはLベクトルを法線ベクトルとする面内での回転運動である。結果,すべての微小粒子がこの面に落ちた状態が定常状態となると期待される。

学部2年生が書いた力学シミュレーションのプログラム(を若干修正した物)で計算した結果を下に示す。

微粒子間の反発係数0.8の場合

真上から見た図, 真横から見た図

微粒子間の反発係数1.0の場合